熱は味方だ
発熱とは?なんでしょう。
発熱には2つの大きな役割があると思っています
1.火災報知機 「火事(病気)ですよ!!」と
2.ウイルスや細菌と闘う生体防御反応の一つの役割です。
ウイルスや細菌は熱に弱く熱が上がると増殖が鈍り、
免疫細胞は高温で活発化します。
こどもに熱がでると、みんな大騒ぎします。
ある意味正しいです。火災報知器が鳴るほどの事が起こっているのですから。
マッチを擦った(古いですね)コンロに火をつけたではない。
一大事になるかもしれない事が起こっているのです。
でも、熱は誰が出しているのか?
本人です。こどもに最も多い、一般的な感染症に対する発熱の話です。
細菌やウイルス(敵)そのものが熱を出しているのではありません。
敵が入って来た事を感知して、体の防御機構が働いているのです。
イメージとしては、火炎放射器で敵をやっつけている感じです。
侵入してきた敵に対して、色んな免疫系を通じ、情報が脳の下にある
視床下部に集められ体温に関して温度設定がされます。
末梢(手足の先)に流す血液を減らして、深部体温を上げようとか、
筋肉の震えを起こして熱を上げようとするのも、そこからの指令になります。
熱は高いのに手足が冷たい、ブルブル震えるというのはその為です。
だから、むやみに消火する必要はありません。
解熱剤で水をかけて、火炎放射器の邪魔をする必要はないのです。
必死で冷やす必要も無い。(本人が気持ち良いと思っているなら別ですが)
昔は「熱を出し切って治そう」という言葉がありました。
布団をかぶって寝て、汗をかけば治るという暴言も一理あります。
「うつ熱、脱水、熱性けいれん、他の隠れた病気」もあり、
そんな訳にはいかないという理屈もあるのですが、
機嫌もそんなに悪くなく、水分もとれていて、眠れるなら、
熱は敵ではないです。
もちろん、アラームは鳴ったのですら、体力を温存するために、ぐっすり寝て、
水分をとって、(できれば栄養をつけて)回復を待って下さい。
だから私は風邪の時は、眠たくなるような薬を出すのが好きです。
年寄医者のたわ言です。